どうしようもないくらい好きでした(仮)




陸はズルい。


自分が全てを決めたくせに。
それには、ほんの一ミリも私の意見など汲まれている訳でもない。
完全な事後報告なのに。


それなのに、淋しいとか言う。


今ここで、その言葉を口にしていいのは私の方で陸ではないはずだ。


それなのに…陸はズルい。


私は『淋しい』だなんて言えない。
その言葉は、陸の足枷になり、この曖昧な関係を壊してしまう言葉だから。


だから私は、淋しいだなんて言えない。
陸を愛しているから。