校内をまわってしばらくしたころ。
「…真奈美サン?
わざとだと思うけど、お化け屋敷やってるとこ避けて通ってるよね?」
そういえば…。
「よし、真奈美!
俺とお化け屋敷入ろ?」
「はーっ?!
なんでそういうことになるのよ!!
文脈からして行かないでしょ!!」
真奈美はいかにも嫌そうだ。
「俺が入りたいの!
それに暗いとこでも俺がいれば真奈美大丈夫でしょ?」
視線を泳がせる真奈美。
きっと、暗いとこだけじゃなくて単に怖いっていうのもあるんだろうけど、それは素直には言えないんだろうな。
「…わかったわよ。」
「んじゃーきまり!」
光くんは嬉しそう。
「…あのリア充もどきは行くみたいだけど、どうする高宮?」
隣で奏斗があたしに聞く。
「え、あ、うーん…。
奏斗が行きたいんなら。」
実を言うと、あたしもかなりお化け屋敷が苦手だ。
あたしをじっと見つめて、奏斗は
「俺はいーや。」
「え?うん。」
意外。
こーゆーの好きそうなのに。
すると、光くんに向かって
「光!俺ら行かないから違うとこ行ってるわ。終わったら連絡して。」
「おけーっ!」
そう言うと奏斗は来た道を戻って行った。