だけど、きっと真奈美は前田くんのこと見たいと思ったから。
きっとあたしなら行かなかったら後悔すると思ったから。
「そこのお2人さん何してるのー?」
「あ、宗田じゃん。」
え。
顔が強張ったのがわかった。
「ねぇ、宗田は中夜祭行くの?」
「かったるいんだけどなー。
約束しちまったし。」
「約束?」
「そ。まぁ、あとでのお楽しみ。」
にやっと笑って奏斗はその場を後にした。
なんだろ…。
「告白かなぁ…?
もしかしたら千夏かもよ?」
「バカ言わないでよ。
あいつには…あいつには1番かわいい女の子がいるんだもん…。」
まずい。
今度はあたしが行きたくなくなってきた。
そんな気持ちを察したのか真奈美は心配そうに見てきて
「あたしは別に行かなくてもいいんだけど…?」
と言ってきた。
でも、真奈美はきっと行きたいはずだから。
「行きたい!
前田くんのバンド見たいもん〜!」
って言っておどけた。
大丈夫。
mimiは中夜祭には来れないから、告白なんてしないよね。