奏斗が近すぎて気づくのが遅かったけど、好きっていうより前に大切な存在だから。



好きな人には幸せでいてほしいから。



手助けしたい。




奏斗が元気なかったらあたしも悲しい。




ゆっくり深呼吸してあたしは奏斗のところに行った。



「奏斗!!あれ!!」



「あぁ…って!!
え!高宮⁈
その顔怖いって(笑)」



「うらめしや〜…じゃなくってあそこ!!」



「はいはい…
ってあー…来たのか。」



mimiを見る目はどこか優しげで特別で、どんなに近くにいてもあたしにはそういうふうには見てくれなくて。



って…がっかりするんじゃなくて!!




「奏斗!行って来なよ!!
今度アイスおごりで許してあげるから、ここは任せて!ね!」



「ちゃっかりおごらせる気かよ(笑)
…わりぃな。」



よかった。



笑って好きな人の背中を押せて。




あたしは奏斗の背中を見ながら思った。




やっぱりあたしは奏斗の背中ばっか見てるな…。



それが嬉しいとも思うし、遣る瀬無いとも思うけど、今はあたしのできる精一杯かな。




きっとこのあと奏斗はmimiとデートするんだ。



あたしには立ち入る隙間なんてないんだから。



それでいいはず。