真奈美はぎょっとした顔であたしを見たけど、すぐに優しい顔になって、 「泣けるうちに泣いとけば?」 と言った。 勝手に奏斗はずっとあたしの近くにいると思ってた。 mimiが奏斗の彼女なら、もうあたしに勝ち目なんてないよ。 てか、奏斗のことなんにも知らなかった。 誕生日だって、血液型だって、好きな食べ物だって知ってるくせに、 誰のことを見てるのかも、誰のことを思ってるのかも全然。 もっと早くに気づいてたら何か変わったかな。