「はぁぁぁー。」


「だから、いい加減うざいって。」



真奈美がアイスティーを飲みながら言ってくる。



結局あのあとのあたしは使い物にならなくて、ぽいっとつまみ出されてしまった。


心の中に暗雲が立ち込めるってこういう気持ちのことを言うのかな。


喉のとこまで苦い想いがこみあがってくる感じ。


全部めちゃくちゃに壊れてしまえばいいって心のどっかで思ってしまう。


誰かにばーってしゃべりたいけど、しゃべっても何も変わらないっていうような想い。



この気持ちはやっぱり?



「ほんといい加減さ、好きって認めなよ。」



真奈美があきれ顔で言う。



だって、



だって、



この気持ちを好きだって認めてしまったら、



もう戻れない気がする。



もう近づくことさえできない気が。



だったら、あたしは



この気持ちを認めたくない。



そこまで考えた時点であたしはわかった。




あぁ。



そっか。



ほんとはわかってたんだ。



近くにいすぎて気づかなかったけど、




奏斗が好きなんだ。



だから、こんなにつらいんだ。




そう思ったら、つーっと涙が溢れてきた。