奏斗からもらったペットボトルのカルピスをちびちび飲みながら、奏斗を横目で眺める。
うーん…傍目から見ればイケメンかも…
その視線に気づいた奏斗がニヤニヤする。
「何、高宮。
もしかして俺に惚れた?」
「惚れるわけないでしょっ‼︎」
あたしはぶんぶん首をふる。
「え、あ、アホヅラだなーと思って?」
「…俺に喧嘩売ってんのかお前は」
奏斗がガンを飛ばしてくる。
いつもだったら、そこで『ガン飛ばしてんじゃねーよ』とか言って笑うけど、あたしは悩んでいた。
まだmimiと決まったわけじゃないよね…。
もしかしたら違う人かも?
この際聞いてみようかな…。
「奏斗?」
「なんですかー?」
「奏斗ってさー、mimiの知り合いだったりする?」
「え、なんでお前知ってんの?
…あー、あのとき俺が走ってったからか…。」
奏斗は気まずそうに頭をかく。
え、え、じゃあ、ほんとにあれはmimiだったんだ…。
奏斗とmimiってカレカノ…?
「えー!なにそれ!うらやまーっ!!」
彼女なの?
聞けばよかったのに、聞きたくなかった。
聞きたいけど、聞きたくない。
聞きたくない理由なんて本当はわかってたんだと思う。
「高宮だったら紹介してやってもいいけど?」
得意気な顔で奏斗が言ってくる。
いつもなら
『え!奏斗様!そこは紹介してください!!』
みたいなノリでいけるのに。
なんでだろ…。
気分が乗らない。
「あー…、いいや!!
mimiは人気モデルだから忙しいでしょ!
こんなあたしのために時間割いてもらうなんて、申し訳ないよー!」


