夏は過ぎたとはいえ、この暑さ。


文化祭の準備をしていたあたしは額の汗を拭う。


衣装係と決まったはいいものの、家庭科の才能が0に等しいあたしはみんなのパシリだ。


それに奏斗のこともあってか全然気が乗らない。


ずっとずっと考えちゃってる。


はぁぁぁぁあああ。



「溜息ばーっか。」


「!!!
奏斗!」


「はい、これ差し入れ。
女子力皆無のお前が裁縫やってんだもんな。
えらいえらい。」



奏斗はあたしの溜息が衣装係のことだと思ってくれてるらしい。


あたしが今何考えてるのか気づかれてなくて良かったー!!


ひとまず胸を撫でおろす。


「奏斗は?
大道具のほう、行かなくていいの?」


「高宮に差し入れ持ってきたついでに休憩ー!」



そう言ってあたしの隣に座る。


え、なんなんだろ。これ。


前はこんなことなかったのに。


なんだか…ドキドキする。


2人きりなんてよくあることなのに。


変な感じ…。


あれだ!


mimiのことがあったあとだからだよ!


きっと!