前の席の黒い背中。





あたしはこの背中ばっかり
見ている。











「…や、高宮!起きろって!!」





「ん〜…ふぇ?」





「授業終わったって!」





「え!ウソ⁈また、寝ちゃったよ!」





「バカだなぁ…ほんと。ほらノート!」





「…ありがとー!!神様仏様奏斗様!」





そう言ってあたしは奏斗からノートを受け取る。





あたし、高宮千夏は宗田奏斗は席が前後の仲良しさん。





高校入って、出席番号前後で、あたしのだいっすきなマンガを読んでたから、自然と話すようになって仲良くなった。





趣味合うし、何より一緒にいて気が楽。





奏斗はクラスの中心的存在で、周りにいつも人がいて、人を笑わせるのが大好き。





ほんといいやつなの!!





「ったく。
こう毎日毎日後ろで寝られると困るんですけど、聞いてます?
高宮千夏さぁん?」





「聞いてます聞いてます!
どうして困るのー?
別に迷惑かけてないじゃん」





「寝てるのバレて、先生に指されたらどうしようかなーと思ってねー。
一応これでも心配してんの。」





「あらあら。それはどーも。」棒読み