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夏休みのある日。
まだ無邪気になれたとき。
あたしは奏斗の試合に誘われて大会会場に足を運んだことがある。
『高宮ー!!』
大声であいつはあたしの名前を呼んだ。
『はいはい。
うるさいなぁー。
ちゃんと見にきてやったんだから、シュート決めてよね!』
『あったりまえだろ!
俺を何様だと思ってる?』
『バ奏斗』
『おーまーえー!
ったく、そこから見とけよ?
奏斗様と言わざるを得ないようにしてやるから!』
『あーもう、ガキ!』
あたしはなんであのとき、頑張れって言わなかったんだろう。
なんであたしはこの関係がなくなっちゃうなんて思わなかったんだろう。