奏斗のいるバスケ部の練習が終わったのをこっそりと確認したあたしは、校門から出てく奏斗の後につけた。


奏斗の家は学校からあたしの家と反対方向にある。


なのに、その日に限ってうちの方に来た。



「あれぇ??」



こっち方面にはこないだ行ったファミレスがある。


てか、それ以外何もないかんじ。


奏斗ファミレスに用があるの?


案の定、奏斗はファミレスに入った。


一人でファミレス行くほど暇人じゃないだろうに。


あたしもとりあえず入ってみる。


奏斗が座ってる席が視界にギリギリ入るくらいの位置にあたしも座った。


5分後。


栗色の髪をしたロングヘアーの女の人が奏斗の席に座った。


え、奏斗、彼女いたの?


知らなかった…。


って!なんでこんなにあたし動揺してんの??


こんなの…あり得ない!


そうだよ!


意地悪でガキでドSな奏斗のこと好きなやつなんていないと思ってたからだ!!


世の中には物好きがいるんだなぁーってびっくりしただけ!


そうそう!


あたしが密かに自分を落ち着けていると、その女の人はつけていたメガネを取った。


その瞬間、あたしは奏斗の様子が変だった理由がわかった。



「mimi…」



そう、それは今朝学校で見たモデルのmimiだったのだ。