「よぅ。」



あたしが惚けているあいだに奏斗が登校してきたらしい。



「どーしたんだ?この騒ぎは?」


「どーしたもこーしたもないよ!
mimiだよ?あのmimi!!」



奏斗は一瞬にして険しい顔になって、



「…あのやろ…!」



カバンを放りっぱなしで教室を出て行った。



「…なんなの?あいつ」



取り残されたあたしは首を捻るばかり。


mimiのことがそんなに好きなのかなぁと思ったが腑に落ちない。


ただただ奏斗が置いてったカバンを見つめるばかりだった。