「こんなん嘘や!このあと普通に帰ったわ!」 事務所に美紗の声が響き渡る。 すかさず翔さんが“静かにしろ”と言って、美紗は唇を噛んだ。 まだ外には懲りないマスコミが大勢いるから、事務所内に美紗がいることがバレたら困る。 「大事なのは嘘かどうかじゃない」 「でも嘘や!これは、あっちが掴まってって言うてきて」 「断らずに従ったのは誰?」 「…」 社長の厳しい言葉に美紗は泣きそうになっていた。 二日前…一昨日のことを美紗は少し怒りながら話してくれた。