≪恋のベクトル≫





カーテンの隙間から、まぶしい朝日が差し込む。



ぐるぐる

ぐるぐる…





朝が来て、のそのそと起き上がるけど…

一晩中悩んで、全然眠れなかった…






心配しているお母さんを横目に、いつもの半分くらいしか朝ごはんも食べられずに家を出た。




「いってきます…」





あーーーーー。

どうしょう。


恋のキューピッド???


なんて馬鹿な事しようとしたんだろう?





私の周りを巡る、恋のベクトルは、複雑に絡み合っていた。




『翼』→『瞳』→『大和』



翼は私の大親友。

瞳も私の大親友。


それに、翼と大和も友達…




調子に乗って協力するつもりでなんていたけれど、
両方のキューピッドになんてなれるわけがない。



ああああ。



私自身、初恋の機能自覚したばかりの恋愛『超』初心者なのに、こんなハードルの高い試練にぶち当たるなんて。



私はいったいどうしたらいいの?