「なつ、帰ろ?」

私達が、まだ大学生だった頃。

同じ学科で、隣だった私達。

半年くらい経った頃、付き合い始めた。

キッカケなんて、なくて。

気付いたら、いつもいつも一緒で。

気付いたら、カレカノだったって感じ。

その頃から、あなたは私の呼び方を、

‘桜井さん’からの‘なつ’に変えた。

それでも私は、ずっと、‘諏訪部さん’っ

て呼んでたけど。

「ちょっと!今日は遅いから、待って無

くてイイって言ったじゃん!」

あなたの顔をみて、発した一言だった。

それでも、あなたは、

「いいの、俺がしたくてしたことだから

さ。それに、彼女を1人で帰させる訳に

はいかないしな」

なーんて、笑顔で受け止めてくれた。

私がどんなに、冷たくしても、八つ当た

りしても、わがまま言っても、あなたは

笑顔で受け止めてくれた。

あなたの、苦しみも、痛みも、悩みも

これっぽっちも考えず、ただただ、自分

の事ばかり考えていた。

その、バチが当たったのかな?