鹿羽夜魅という人間は、よく分からない。 鹿羽夜魅――階級は警部補。特派の班長で、言うまでもなく俺の上司だ。 上司。 彼女には似つかわしくない言葉。 そもそも、彼女には特派以上に謎が多いのだ。 名前、階級。俺に与えられた情報はそれだけ。 年齢に関しては、本当に謎というしかない。どう見ても、彼女は明らかに俺よりも年下で、少女という言葉が相応しい。 少女。 それが、俺の彼女に対する第一印象。