(続) 冷めた結婚


「ごめんなさい…」


「謝って欲しいわけじゃないんだって。ちゃんと教えて欲しいんだ。愛海の気持ちを」


私の気持ち…?


「溜め込まないで…」



懇願するような瞳は、人一倍綺麗で。


さっきまでは、輝と話したくないって思ってたのに、なんだか今は話しても大丈夫な気さえしてくる。



溜め込むことは、私の悪いくせの一つだ。



「お願い。教えて…愛海の気持ちを」



でも、こんな表情で瞳で、声色で。



誰だって、抗えない。



少なくとも、私は輝に勝てる日は来ないと思う。