(続) 冷めた結婚


「輝には、友達もいっぱいいて、愛莉さんとか会社での付き合いの人もいて、元カノもいて、すごくいっぱいの人と関係があって…」


私は必死に言葉を紡いだ。


「私は人付き合いも下手だから、友達もそんな多い方じゃないし、元カレもいないし、今は働いてないから毎日輝以外の人と関わる機会は少なくて…」


ずっと彼の心を独占していたい。


四六時中、私で一杯になって欲しい。


「それが、辛いとかそういうんじゃないの…。ただ、不安なの…。輝がいつか心変わりして違う人のところに行っちゃったらどうしよう…?って、喧嘩するたびにそう思うの…」


もしも、何か一つ願いが叶うなら、輝が私から離れて行かない方法を教えてほしい。


そう思うくらい、彼と出会って年月が経った今も私は輝に夢中なんだ。


「私は輝が一番だよ…。でも、いつか輝が私から離れて…」


話の途中、彼はゆっくり私を抱きしめた。


抱きしめられた腕から伝わる体温は、とても温かくて、冷えた私の心まで一気に溶かしてしまいそうだった。