「温かい…」
この紅茶の温かさで、私の固まった心も溶けて欲しい。
「あのさ…」
視線は、マグカップの中の紅茶を見つめたまま、私は輝の話を聞いていた。
「愛海は、俺といるの…辛い?」
「えっ…?」
予想外の言葉に、思わず視線を輝の方に向けた。
見つめた先にいる輝は、なんとも弱弱しい表情で私を見ていた。
「どうして…?」
「いや、俺は今まで出会った人の中で、愛海が一番だと思ったから、愛海と結婚したけど…愛海は俺以外の人と…」
そこまで言うと、輝は言葉を詰まらせた。
私は、輝が続けて言いたいことが分かった気がした。
『俺以外の人と付き合ったことないだろ?』
多分、そう言いたいんだと思った。

