普通にしてようと思ってたのに、普通にできなかった。
また彼を怒らせてしまった。
また喧嘩になってしまった。
喧嘩したくなくて、言わなかったことなのに。
どうして、上手くいかないんだろう?
なんで、私は普通の奥さんが出来ないんだろ?
私がもっと心が広かったら、『元カノから結婚報告のハガキ来てたよ!』って軽く言えたのかもしれない。
もっと大人になれていたら、『綺麗な人だね、私には負けるけど』なんて冗談が言えたかもしれない。
でも、私はどっちもできなかった。
溢れる黒い感情を、抑えるだけで精いっぱいだった。
しんと静まり返った、玄関で私は一人ただ立ち尽くしていた。
どうしていいか分からなくて。
このまま外に出ちゃおうかな……。
外に出て、輝が寝た頃帰ってくればいいかな……。
きっと輝も私の顔なんて見たくないよね…。

