「ねぇねぇ」


私の向かいに座る入社3年目の藤田さんが、小声でみんなに話しかけてきた。


「今日入社した遠野君って、むちゃくちゃカッコイイと思わない?」


突然湊君の名前が出て、ドキッと心臓が跳ね上がった。


「思ったー。顔綺麗だよねー。

最初見た時、ハーフかと思ったもん」


「背も高いよねー。細身でモデルっぽいし」


う、うぉー。


湊君の話で盛り上がってるよー。


湊君は金髪だった髪を染め、今では栗色のような髪をしている。


それが色白で色素の薄い瞳の湊君にものすごく良く似合っていて、本当にハーフみたいに見えるのだ。


職場にいたら相当目立つだろうなと思っていたけれど、やっぱり女の子達に目を付けられてしまったようだ。


「彼女とかいるのかなー?」


「さっき彼のデータこっそり見ちゃったんだけど、彼まだ21歳だよー」


「うそっ。年下なの~?ますますいいじゃなーい」


「今度飲み会に誘ってみましょうよー」


「さんせーい」