トレモロホリディ

なんだか悲しくて目を伏せていたら。


私の頭に置かれていた湊君の手が、ゆっくりと離れて行った。


あ、離れちゃうんだ…。


まぁ、いつまでもそうしていられないよね。


腕がだるくなっちゃうしね。


でも…。


なんとなく、寂しい…。


そう思っていた次の瞬間。


私の頭から離れた湊君の手が、


スッと私の頬に来て。


手の甲でするりと撫でられた。


その優しい感触に、ビリッと背中に電気が走る。


え…?


今の何?


どういうこと?


や、やだ。


なんだかドキドキし過ぎて…。



湊君に



視線を向けられない。