赤ずきんちゃんと6人の狼くん   ~危険な逆ハー生活!?~

それから、私はシグレのいる孤児院で生活をした。


その時だった。

初めて、時坂さんに出会ったのは・・・

時坂さんは、孤児院の園長先生で

皆から慕われ、愛されていた。

私もそんな中で生活するのは

とても、楽しくて、

少しだけ、雪のことを忘れられた。


・・・・・しかし、幸せも束の間。


私の母親が

日本に帰ってくるまでの期間だけ

この孤児院で

お世話になるということだったが、

大きな事件が起きた。

お母さんが帰国する為に乗った飛行機が

墜落事故を起したのだった。

お母さんは、帰らぬ人となった。


一時期、世間では騒がれ、

いつの間にか人々は忘れてしまったけど、

私は、ずっと、ずっと、ずっと、

泣いていた・・・。

最後の家族を失ってしまった。


もしも、この世に神様がいるんだったら

不公平だ・・・。

私は世の中を・・・

世界を・・・・

恨んでやる・・・。


そう、私は決めたはずだったのに、

彼、否、彼等はそうは

せさてくれないようだった。

ずっと、塞ぎ込んでいた私に

孤児院の皆は、

私に元気になってもらえるように

いろいろなことを試した。


漫才や・・・マジック・・・

時には熱唱まで・・・


それでも、立てない私に

ある日・・・時坂さんが

抱きしめてくれたのを今でも覚えている。

優しくって、あったかい・・・

お母さんに抱きしめられているような

錯覚さえした。