赤ずきんちゃんと6人の狼くん   ~危険な逆ハー生活!?~

ユ「私、お父さん、が、怖くて、

  う、う、雪しか居なくて、

  でも、

  雪も居なくなっちゃった。

  う、うう・・・・」

泣き止まない私を

時雨は私の頭を撫でながら

ずっと、抱きしめてくれた。


時「ユイちゃんのお父さんが

  昨日、警察に捕まった。

  病院に運ばれたとき、

  ユキちゃんの背中に

  事故よりまえに出来た傷が

  たくさん見つかったんだ。」


シグ君が私を抱きしめる腕を

少しだけ、きつくした。

ユ「でも、私の家が・・・

  私が帰る場所、

  ホントになくなっちゃった。」

声が・・・震える。

時「ユキちゃんには

  僕の住んでる家に来て欲しい。

  僕の家は

  ・・・・孤児院なんだ。」

時雨が静かに言った。

ユ「孤児院って何?」

時「孤児院はね、

  独りぼっちの子供が集まる

  場所なんだ。」

ユ「私、孤児院に行く。

  シグ君と一緒に暮らす。」

すると、

時雨は私から離れた。

ユ「あのね、シグ君。

  私、独りぼっち

  なんかじゃないよ。

  私には、シグ君がいるよ。」

私は満面の笑顔で言った。

シ「うん。じゃあ病院に帰ろ?」

シグ君は私の車椅子を押してくれた。

シ「僕にも、ユイがいたんだ・・・。」

その声は誰にも届かず、

空気になって消えた・・・。