優しい場所

「ほんとのこと言え」

輝が言った

びっくりした

普通は、こんなことを言ったら
みんな怒ってくる

「うそなんて言ってない」

「じゃあ、なんで
暴走族が嫌いなんだよ」

「暴走族なんて、ばかの
集まりじゃない」

自分で言っておきながら
心がいたむ

「ちげぇだろ
お前の考えてることなんて
すぐわかるんだよ」

「あなたたちに、私の
なにがわかるのよ!」

我慢の限界だった

「分かるよ
お前が、嘘ついてることぐらい
その嘘でお前が傷ついてる
ことだって分かる 」

「傷ついてなんてない」

自分でも声が震えているのが分かる

「そうやって、ずっとお前は
自分に言い聞かせてんだろ」

「ちがう!」

「じゃあ、お前は
なんで今泣いてんだよ」

私は、いつのまにか
自分が泣いていたことに気づく

「お前がなんでそんなに
苦しんでるのかは
俺には分かんねぇ

でも、俺らにだって
お前を支えることはできんだよ

お前を、愛を
助けてやることはできるんだよ」

輝が言い終わる頃には
涙が止まらなかった

「愛、もう一度言う
俺らの、輝桜の姫になれ」
私は、嬉しかった

そして私はその言葉に頷いた