棗が最後に伝えたのは、 「好き……だった、よ……か、ず…くん」 棗の冷たい手は、俺の後頭部に周った。悲しみで力も無い俺は、棗の引き寄せる力に、従った。 最初で最後の、棗とのキスは…… 冷たくて、どうしようも無く、塩っぱかった。