「お疲れ様」


そう言ってわたしの隣に座って、頭を撫でる。


わたしは照れ隠しにハーブティーを飲んだ。


「うっわ。溺愛してんじゃん、ありえない」


そう、女の人が言う。


わたしがその人を見上げると、特に笑顔を見せるわけでもなく白須先生を見て


「あたしにも、ハーブティー」


と言った。


「あたしは、この病院の専属医師、白須です」


「えっ、あ、渡辺です」


気持ちいいくらいにサバサバしているその人はポッケに手をつっこみ、地面に座った。


「王城寺先生のお嫁さん?」


お嫁さん、ではない。


「未来の、ね」


そう隣で付け足す。


「もう少し、サッパリしてんのかと思ってたわ」


そう言って、白須先生が持ってきたハーブティーを口に含む。


白須先生はわたしを見て困ったように笑った。


「これから病室に戻るのか」


「うん、そのつもり」


「そっか。じゃあ、僕が送っていくよ」


「王城寺先生、それは」


止めた白須先生を颯佑は首を振って拒否した。