天才極甘党系男子




「自分勝手な女でごめんね」


「僕は」


「颯佑、ありがと」


初めて、僕の名前を呼んだ瞬間だった。


「寿美乃」


「心平も、ありがと」


「待てよ、寿美乃」


僕が何度寿美乃とよんでも反応してくれなかった。


彼女なりのケジメなんだって思った。


「ここから、あたしが見えなくなるまで動かないでね」


そう言って一歩踏み出してからまた振り返った。


そして、僕に駆け寄ってきて抱きついた。


細い腕と細い体は僕からなにもかもを吸収するようにぎゅうっときつく締めてくる。


僕はそれに答えるように優しく抱きしめた。


「颯佑、また会えたら会おうね」


「あぁ」


「医者になりなさいよ」


「うるせーよ」


そういうとゆっくりと離れた。


そして次に心平に抱きついた。


寿美乃は僕たち2人を同じように好きでいてくれた。


不平等なんてない。


友達として対等に。


「じゃあね、」


そう言って僕たちを見た寿美乃は何かが違った。