「おーい。入るぞー。」

だが、今日村を出るとは言えどもやはり聞き慣れたあの低い声を聴くと冷やりとするものだ。さらに支度が終わっていないレベッカにとって扉越しに聞こえた声は焦らせるいい薬だったのだ。
そして、地獄の門は開かれた・・・

「まだやってなかったのかー!!!遅いぞレベッカ。レベッカの為に村人一同が集まり祝福の祭りをするんだからな。その主役が居なくてどうする?だいたいな、いつもいつも支度が遅いからな困るんだよ・・・《ry(以下略)」

そう。村長は話が長いのだ。 

「はいはい。分かりました!すぐに終わらせます。キリカ=シリンカ第一代村長サマ!!」 

レベッカはキリカの話の間を遮って言った。

「それを言うなと言ったはずだ。俺はその名前が大嫌いなんだ。ルンパッパなんだ。」

とキリカは怒った。

「ああ、そうでしたね。ゴメンナサイね。そういえばさっきユナーアが呼んでましたよ?キリカが私の財産を世界の魔道書に使い込んだからその分のお金を返してもらうって。」

と、いつもの手を使った。

「だって、それはしょうがないよ・・・
だって安かったんだもの。早く返さないと!!とにかく早く支度しろよ!」

自分の要求を言うと共に走って妹のユナーアの所へ走っていった。
そして、早くしようと思い立ち上がって準備をし始めた。