「キャンプにしようよ!」
何時も遊びや旅行の計画を立てているのは、実花だった為に、麻衣子がそんな発言をした時には皆が驚いた。

「どーしたのよ、麻衣子。」
成海までもが、意外だと言わんばかりにシャープペンを握っていた手を止める。

「あたし、キャンプしたことないんだもん。ほらさ、シュウとか、陽平とか、孝太とかも誘ってさ、バーベキューとか…楽しそうじゃない?」
園田陽平(そのだ ようへい)と中橋孝太(なかはしこうた)はとくにシュウと仲の良い男子らであった。


「キャンプ、ねぇ。」
実花は腕を組む仕草をする。
「実花んちの、別荘とかないのー?」
「うん、あるよ!お父さんに頼んでみる!」
「やった。」
唯がパチン、と両手を鳴らした。




「シュウー!」
「麻衣子。」
「あのねあのね、実花んちの別荘でキャンプするのー。シュウも行くでしょー?」
「えー。」
「陽平も、孝太も誘っていいからぁ。」
麻衣子はねだる様にしてシュウを見つめた。




「唯は、行くの?」



予想だにしてしなかった言葉がシュウの唇を伝って麻衣子の耳に響いた。
「え…?」

「あいつだよ。」
「うん…、行くんじゃない?」
まともにシュウの顔なんて見ていられない。

「そ…そゆことだか…らっ。」
今にも涙が溢れそうに熱い涙腺を押さえながら麻衣子は慌ててその場を走り去った。
なんで?
なんで?
なんでシュウが唯のことを気にするの…?
どうして…?