「唯ってさ、」
と田代明美(たしろあけみ)が口を開く。

空は青く青く澄みわたり、ずっと雲の彼方を見つめていると、吸い込まれる様な錯覚さえ覚えた。


「なにー?」
高岡唯は明美に背を向けたままで返事をした。


「なんで北川先輩振ったの?」

「またそれー?」
「だって気になる。唯、かっこいいって言ってたじゃん。」
明美がいじけたような素振りを見せた。
「かっこいいのと付き合うのは別だよー。」
「北川先輩、後輩にもモッテモテなのに。」

唯は笑う。そうして、空を見上げるのを止めた。
「あーあ。空ばっかみてたら首痛くなっちゃった。」
「あー!またはぐらかすー!ちゃんと理由聞いてないもんね!今日こそは!」


屋上を封鎖している学校が多いというが、唯達の高校は当たり前の様に開放されていた。

今は昼休み。

グランドには部活の自主練習をする人がちらほらと見える。



「正直さ、唯ってモテるよね。」
「やだー。モテない。」
唯は明美にの隣に座った。

「モテるけど。彼氏つくらないよね?」