ぽた、ぽたと
一度流れ出した涙は
止まることを知らず、

「…麗」

あたしを心配する伊織の声さえ
今は雑音でしかない。

…お願い、お願いだから…

「…もう、

 あたしに関わらないで」


…思い出す度に
苦しくなって涙が頬を伝う。

白龍という大切な場所、
大切な仲間が出来た。

何一つ不自由なんてない。


そう分かっていても





…どうしても
黒龍を、求めてしまう。





竜聖、悠さん、智貴、浩貴

駿、遥、優真、隼人



みんなともう一度、

笑ったり、泣いたり、怒ったりしたいって。




「…行こう」

伊織に手を引かれ
あたしはゆっくり、ゆっくりと
獣牙倉庫を離れていった。