「…期待してますよ、 麗さん」 嬉しそうに笑う崎沢を最後に あたしはドアノブを回した。 ガチャ… … 「…ふー、」 部屋から出た途端、 力が抜けたあたしは 廊下だというのに 座り込んでしまう。 相変わらず 無理やりピアスを取られた耳は じんじんと痛み、 痛みと比例して 出血も止まらない。 …そんなことよりも お父さんの形見で、 唯一黒龍のみんなと 繋がっていられたピアスを 奪われてしまったことの方が どうしようもなく痛い。