「なんであたしが姫になってんの!?」



まじで有り得ないんですけど!



「お前しか姫いねーし」



いや、女はあたしだけだけど!



「わざわざ文化祭のパンフレットに“美しき姫のいる学校”とかデタラメ書く必要ないでしょ!!」






そう。





来週開催される文化祭のパンフレットにあたしを姫と呼んだデタラメ情報が書かれていたのだ。





なにが“美しき”よ!



姫でもないのにそんなこと書くな!




ってかこれ考えたの誰だし!!






恨む!恨む!





「はぁ〜…みんなの期待裏切っちゃうじゃん」



姫がいる!って思って文化祭に来ようとしてる人、……ごめんなさい、姫を名乗るほどのものではございません。




「でたよ、無自覚。お前さ自分の顔鏡で見たことあんの?」



「あるに決まってんじゃん、バカにして
る?」


「だって、お前が可愛くないってなったら世の中どーなる?!そこらのヤツかわいそーだろ」




なにさ、陸はそこらのヤツの見方なわけ?



「どーせあたしはそこらのヤツですよーだ!」



だぁぁあっ!もぉ!全く!




陸にヤツあたりしちゃいかん!



「今のヤツあたり!ゴメン!」


「別に怒んねーよ」




どこまでも優しいな…。