俺様男子に誘拐された件



「東堂財閥から離れたいから。東堂と、縁を切りたいから…………って前言ってた」



……………



「神崎って苗字は、天国の祖父母が俺と陸に、もしもの時、を考えて残してくれた苗字。」


「もしもの時…」



それは、財閥から離れたい時…、まさに陸のこと。



「でも、陸は…渚さんの事、嫌いじゃないですよ」


「なんでそう思う?」


「だって………陸も渚さんの事考えてた。継ぐって知った時、応援しようって言ってた。こうやって、お互いがお互いのことを考えるって凄いと思う…。嫌いだったらそんな事…絶対しない…………です」


「………」



無言だった。



生意気すぎたかなって不安になる…



でもこれが、あたしの考え



「ふっ……」


目の前の渚さんがちょっと、安堵したように微笑んだ。


「珠々ちゃんに言われて、なんかスッキリしたよ。」


「ほ、ホントですか」


良かった………



ちょっと安心