それからしょうもない話とか、色々話して盛り上がった。
陸はお風呂に入って、お母さんは同級生だった陸のお母さんに会いに行くとか言って、リビングにはあたしと渚さんだけとなった。
「あの、陸から財閥の事…聞いたんです」
「財閥の事?」
「陸が継ぐはずだったけど、渚さんが継いでくれたっていう話……」
「あぁ~」
「その話聞いた時、陸のお兄さんにお礼を言いたいなって思ったんです」
あの時、確かにそう思った。
「お礼なんてされる事一つもないよ?」
「いや、あの…渚さんの本当の意志かもしれなかったですけど、だけど、陸を…助けてくれてありがとうございました」
陸を助けてくれて、すごく感謝してるの
もし助けてくれてなかったら、今頃陸はどうなってた?
あたしとも再開しなかったし、あのまま美麗さんと結婚していたかもしれない。
「俺はね、長男なのになんで俺じゃ継げないんだって思ってた。もともと財閥を継ぎたくて、だけど俺より優秀な陸が候補に選ばれて……、嫉妬してた」
嫉妬………

