学校からちょっと離れたところに腰を掛けた。
「前にお前が、珠々をまた傷つけんなって言っただろ?…んで、お前が尾野優羽だって分かって……、やっと理解した。」
あの時お前は、俺が珠々を酷い振り方して珠々のことを傷つけたから、また傷つけんなって言ってたんだろ?
「…だから、悪かった」
「別に……同情なんかいらないし」
はぁ?
なんでそーなる
「俺がお前に同情なんかしねーよ」
「だろーな」
はぁ?
…………なんか意味わかんね、こいつ
「俺は、東堂陸が戻ってきてくれて、ある意味助かってる。言い方はちょっと違うけど、いつかは珠々と別れないとって思ってたし」
要するに、俺が出てきて普通に別れる理由ができてよかったってわけ?
「逃げてんな、お前」
「いや、逃げてはないよ。俺の気持ちはそんな軽いもんじゃないしね」
「…………」
「好きだよ、まだ珠々の事」