「好き…」


「………うんっ、あたしも…」



なんか、涙が出てくる。


「お前なんで泣いてんだよ」

 
「いいのっ!」


「ははっ、かわいーの」


「なっ…!馬鹿!」



冗談言うな、恥ずかしい。



「ねぇ、………陸、忘れてたんだけど」



ほんとは忘れてちゃダメなんだけど…



「中1から好きだったなら、なんで振ったの?」



中1のあの時、勇気を出して告白した……東堂陸に。



「あん時は、家の事に従わないといけないって思ってて…好きだった珠々に告られて嬉しくないはずはないけど、全力で自分に言い聞かせた。諦めろ、振れって」





そう、だったの



「だけど、ごめん。こんなにも傷つけて。俺馬鹿だった。それに、教室で告って振られたっていう話題持ってきたの、北見なのに……なんも言えねーで、突っ伏してた…………、泣き顔見られたくなくて……ごめん。」




え?





ええ?



北見ってクラスの中心的気の強い、あの北見さんのこと?



ってか泣いてたの?




だから突っ伏してたの?




「な、何だ…………」





もう、あたしの勘違い。










ばか、自分!






「そうだよね……だって陸がそんな事…するはずないもんね」





もっと冷静に考えてたら、良かったのかもしれない。






まぁ、それができない中1だったわけだけど。