「まぁ、話しずれたわけだけど…」
そう。
あたし、翔瑠君に今の気持ち全部話した。
だからこうやって話してるんだけど。
「俺、陸が財閥の息子だっつーことも、婚約者がいたことも、前の名字が東堂だったことも、全部知ってっけど…、珠々ちゃんとこんなに関わってる内容だって知らなかったわ…」
そりゃ………あたし言ってないし。
陸も多分、中学生の頃のあたしなんて忘れてる。
だから、今普通に話すんだ。
「陸がさ…中学生の時ひどい振り方したのって、そういう方法しか無かったんじゃねーの?」
「え?どういうこと?」
「いや、俺にも分かんねーけど……、あいつはそんな奴じゃねぇよ。」
まぁ、そう言われるとそうだけど。
現実どうかわかんないし。
ほんとにあたしは迷惑だったのかも知れない。

