なおさんの酒乱ぶりは質の悪いものだった。こと、俺達にたいしてだけ。

俺と知は同じ歳と言うこともあり、直接、何かをしてくることはなかった。

標的にされたのはメンタル面の弱い政だった。

事の発端はまさと俺でキャッチした二人の女の子からはじまった。

並木通りでヒッチャン待ちの若い女の子に声をかけ、いとも簡単にキャッチが成功した。

その日はオーナーとマネージャーが休みだった事もあり、店内はいつもより暇で仕方なかった。

固定客を持っているのはガクさんだけで、その客とは当然みくさんだった。

俺はみくさんについてもよかったのだけどキャッチであがってきた客はフリーなわけで、俺達新人にとっては固定客を掴むチャンスでもあった。