* * *
「おっはよおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「………」
「アレッ無視!?」
翌日、“いつも通りの”テンションで話しかけるあたしに麻衣は心底嫌そうな顔をした。
大丈夫。
今日のミッションはただ一つ、手紙を捨てることだけ。
昨日捨てれば良かったんだけど、生憎昨日はごみの日。……つまり捨てたらお母さんに見られる確率が高い。そうでなくても頻繁にゴミ箱は使う。
「手紙なんて捨てないの!」と返されることが予想された。
でもこんなの持っていたくはない。
よし、と鞄に入っている手紙と写真を確認して――――――確認して?
ごそごそと鞄を漁る。
あ、あれ?
「…………」
「顔がすっごいことになってるわよ」
ない。
確かに入れたんだ。
手紙と写真が、ない!
「………どうしよ」
「何が」
「あ、いや」
もしも樹くんに見られたら、樹くんと接触しなきゃならない。成宮雫という名前はこの学校で一人だ。手紙に書かれた〈成宮雫〉で分かってしまう。
………昨日、決意したばっかりなのに。
あたしは昨日、決めたのだ。
―――――――――【樹くんとは関わらない】と。

