「………」
試しに手を樹くんのみぞおちあたりに当てて精一杯おしてみる。が、「邪魔」という一言で払いのけられた。力強くねえか。
えーっと、口使えない、手も使えない、頭は元から使えない、よし残りは足だなって足をどう使えっていうんだ。樹くんの体に当てたらあたしが死亡確定だよね。
というわけで本格的に心臓が危なくなってきたところで樹くんが呟いた。
「……むかつく」
「……」
「…なんで気付いてくんないの」
「……」
何のことなのか問いただしたいけど、樹くんに何度か黙れ宣言されているので話すことができない。何も言われてなかったとしても、多分なにも話せなかったと思う。だって近いから。
「…うざい。お前ほんとうざい」
「……」
「なんでいちいち目に入ってくるんだよ……俺どうかしてる」
「……」
「あー、もう。むかつく」
「……」
だんだん独り言みたいになってるのは気のせいかな。と考えてみたけど、近すぎてそれどころではない。なんとか打破できないかな。自分からいくのは全然緊張しないのに、こういうときに限って緊張してしまうのはおかしいような気がする。
ああああ、そろそろ限界なんだけども。

