「…はぁああ……」





なんだかさっきからため息ばかりだな。






ジュースでも買おうと立ち上がったとき――――――――どん、と鼻に激痛が走った。





何かにぶつかったみたいだ。





いてえやべえこれは元から低い鼻の高さがさらに低くなってまうよ!?





大方電柱か標識だろうと思い、キッと上を見上げた。






ら。






電柱でもなく標識でもなく、目の前にいたのは息を切らせた生身の人間だった。





しかも。






「い、つきく、」





「何、その顔。ムカつくうざい」







あたしが大好きな人物で。






「い、樹くん?まじで?」





「まじ以外の何があるの。うざい」







まあ本物か確かめるよね。