突然、激しい吐き気に襲われた。


あ、やばい。



そう思って、放送室を出た。

そばの水道で口を押さえた。



食べ物の匂いが周りから消えると、だいぶ気分が落ち着いた。

口をゆすぎ、息をつく。



まさか・・・

まさか・・・ね。


たった1回だけだもん。



そんなはず・・・






部長の今岡 万鈴が、放送室から私の後を追ってきた。




「桜、大丈夫?」

「うん・・・平気・・・」



ちっとも平気じゃないけど、自分でも不安を振り切るため、そう言った。




どうしよう・・・

怖い・・・