男子1人のシェアハウス2



桃は離れると、


「あのね、菜々に話したいことがある。」


と真剣な顔をして言った。


「何?」


近くの石段に腰掛けて桃は話し始めた。

「実は…」


私は桃から桜のことを全部聞いた。


「そんな…。桜が全部やったの…?」


「そうだよ。」


桃は顔を曇らせながら俯いた。


「でも、きっと何かあったんだよ。」


「どうして、菜々は桜に対してそんなに優しいわけ?」


「悪気があったわけじゃないと思うな。桜は寂しいんだよ。」


涙を堪えながら私は桃に別れも告げずに走って帰った。