「ありがとう。」


桜は涙を拭き取ると俺に抱きついた。


桜の頭を優しく撫でた。


「陸上部に入ったら、菜々がいるから、菜々と友達になれよ。」


「私…菜々さん嫌い。」


「なんで?」


「私をいじめくるの。」


「嘘だろ?菜々はそんなことしないよ。」


「本当なの!信じてくれる?」


桜の顔は真剣な顔だった。


これは本当なんだ。

そう、信じきっていたんだ。