さすがに不審に思った俺は嫌がる猫を捕まえて、身体中を探ってみた。

そこまで動物の身体に詳しいわけではないが、

身体は普通の猫と何ら変わりはない、ただの『猫』だった。

第三の目があるとか腹部に紋章があるなんてこともない。

ただ傷だけが消えていたのだ。

混乱して何も話せない俺を心配しているのか

猫がしきりに俺の指を舐めていた。