恋する彼女は雨に哭く

芦屋蒼の朝は携帯電話のアラームで始まる。

はずなのだが。

今朝はでかい毛玉が目の前をわさわさする感覚と

にーにゃー騒ぐ鳴き声で

いつもより二時間早く目が覚めた。

「…うるせぇなぁ…」

「にー、にゃ」

しっしと追い払ってみたものの

がりがりと頬を削られ、根負けした。

猫の飯って人間用のでも大丈夫なのだろうか。

「葱と…魚介類?だっけ…」

冷蔵庫の前でうんうん唸っている俺を笑うように

虎猫がにゃあと鳴いた