遥は迷彩服を着て腕を出した

      「何だ?」

    遥「縛り直さないんですか?」

    「変わった奴だ………………

     ジッとしてるなら縛らない」

    遥「ありがとうございます」

       「で?」

  遥「あぁ…で、出血が酷くて、もうだめだと…思って座って壁に寄りかかったんです。

  心臓に手を当てながら止まるのを待った

   気付いたら…自分の家にいて……あなた達が家のドアを叩いてて……今に至ります」

    「どあ?」

   遥「はい」

    「どあって何だ?」

   遥「はぃ?
    
    あなた達がドンドン叩いてた奴」 

    「門…か?」

   遥「…?はい…」

    「此処が何処か分かるか?」

   遥「私の家です……」

    「……………………………………」

   遥「一つ聞いて良いですか?」

    「何だ」

   遥「何で着物着てるんですか?」

    「さっきもそれ聞かれました」

    「これは袴だ……」

   遥「………………趣味ですか?」

    「この柄か?」

   遥「いえ……着物を着るのが……」

    「……………………………………

    裸で街を彷徨く趣味はないんでな」

   遥「何で刀を持ってるんですか?」

    「……………………………………」

   遥「っっっ!!! ちょんまげ!」

    「……………………………………」

   遥「笑われないですか?道歩いてて」

    「……………………………………

  何で笑われなきゃいけないんですか!」

   遥「馬鹿にされそうだから…?」

    「……………………………………

    こいつ…本当に何なんだ!!!

    お前の身形のが可笑しいだろう」

 遥「あぁ。そうですね…軍服ですもんね」