ーーガシッ 『いっでっ!…たいなぁ〜。』 頭にかかった突然の衝撃に、ついつい、大きい声で素が出そうになったのを、慌てて立て直す。 「…ぷっ………くくく…」 衝撃の正体は、笑いを必死に堪える姉御…いや、楓の手の中にある分厚い古典の教科書だ。せめて、音楽とかの薄っぺらいのにしてほしかった。 『てめ……いってぇよ。』 できる限りの小声で文句を言いながら、 楓を睨みつけた。